「明日世界が終わるとしたら?」 「明日、ですか?」 「うん」 「明日朝起きたら終わってるんですか? それとも明日いっぱいは猶予があるんですか?」 「なんでそういうとこ現実的かな妹子は……」 「だってすごい大きな違いじゃないですか」 「じゃあ、明日いっぱいでー終わるとしたら」 「うーん、明日かあ……実家帰りたいけど有休取れるかなあ」 「いいじゃん仕事なんかどうだって。どうせ全部おしまいなんだから」 「でも最後の最後に欠勤とか気分悪いですよ。死んでも死にきれません」 「おまえ、いろいろめんどくさいな……」 「うっわ、カチンときました今」 「あっそ」 「……そういう太子はどうなんですか?」 「私? 私はねえ、見ていたい」 「なにを?」 「全部。木や草や川や空や人や、全部。終わっていくものたちを、最後まで見届けてやりたい」 「最後まで?」 「うん」 「あんた最後の最後まで生き残る気ですか? それはちょっと都合よすぎだろ」 「べっ……別にいいじゃん、摂政だし……ほんとさ、そういうつまんないこと突っつくのやめんしゃいよおまえは」 「だって気になるんだからしょうがないじゃないですか」 「開き直りやがった」 「てか、あれですよ」 「うん?」 「付き合いますよ、それ」 「妹子も世界を見届ける?」 「プラス、あんたの死に様も見届けてやります」 「はは、そりゃいいや」 「明日世界が終わるとしても」 あんたの終わりが世界の終わりだ ワールズエンド・スーパーノヴァ(太妹) |